OJTとは?メリットやデメリット、効果的に実施する方法を解説

2022年5月18日|カテゴリー「人材育成コラム
OJTとは?意味や目的、効果的に実施する方法をわかりやすく解説
新入社員の育成手法の一環としてOJTがよく用いられます。
OJTは実際の業務を通して知識やスキルを習得できて、特別なコストもかけずにすむため費用対効果が大きく、多くの企業で取り入れられている教育手法です。

しかし、正しく理解しないと社員の育成がうまくいかないだけでなく、「退職」のリスクにつながります。
OJTの目的やメリット・デメリットを理解するとともに、効果的に教育を進める方法をご紹介致します。

OJTとは?

OJTとは「On the Job Training(オンザジョブトレーニング)」と呼ばれます。

「実務を通して仕事を教える」という手法で、職場の上司、先輩が新入社員や後輩に知識やスキルなどを計画性を持って指導し、座学やマニュアルでは理解できない領域を補います。

OJTの大前提として「成果を出しながら教育を同時に行う」というミッションが存在します。

この部分を正しく理解せず押し進めてしまうと、教育が疎かになり本来の機能を果たさずに形骸化してしまうでしょう。

まずはOJTの「成果を出しながら教育する」という特徴を正しく理解し、教育カリキュラムを組むことが重要です。

一方で職場や現場から離れて教育を行うことを「OFF-JT(オフザジョブトレーニング)」と呼びます。

外部講師を招いたビジネスマナー研修や管理職のマネジメント研修、人材開発のコーチングなど、座学やグループワークを通じてビジネスの土台となるものを形成するのがOFF-JTの役割です。

OFF-JTで人材の基礎を作り、OJTでは現場で能力を伸ばす、両方の研修をバランスよく取り入れて教育を行うと、最大の効果を発揮するでしょう。

OJTのメリット・デメリット

OJTとは?意味や目的、効果的に実施する方法をわかりやすく解説
OJTは「目の前で必要な仕事を教える」という単純な目的ではなく、チームの一員としてどんな役割でどのように成長してほしいかなど、意図的に計画性を持って指導し続けることがポイントです。

現場に密接な教育手法ですので、実際に導入するとチームにどんな変化が起こるかをメリット・デメリットとして解説いたします。

OJTのメリット

マニュアルや口頭だけでは伝わらない部分を、再現度高く指導することが可能です。

接客・販売であれば、実際のお客様とのやり取りの雰囲気や、クロージングのタイミングなど「空気感」を指導することができます。
製造であれば機器の調整や作業工程のコツなど、感覚的なものを指導できたり、バックオフィスの業務でも、会計集計方法やデータ収集のコツなど、普段現場で行っている「当たり前」の内容を一緒に作業し、指導することで仕事への理解度を上げることができます。

マニュアルや講義などの研修は全体の底上げには向いていますが、多数に向けた内容なので、研修者によっては理解度がバラバラです。

一方でOJTは個人に合わせて、伸ばすべきポイントなど優先順位をつけて指導することができるので、研修者の理解度は高くコニュニケーションも活発になってきます。

OJTの強みはプレイヤーが指導者にもなることです。
プレイヤーも指導を通して、改めて実務を見直す機会になるのでその仕事の改善点を見つけることもでき、マネジメント能力も身に付きます。

OJTのデメリット

OJTは現場で即効性のある教育方法ですが、ただ作業を教えるだけだと、人材は成長しづらいでしょう。

作業を通して自分がどのように成長するか等、「ビジョン」がないとモチベーションが上がらず、効果は出にくくなってしまいます。
これは指導者、研修者双方に当てはまりますので、教育カリキュラムとキャリアパスプランを紐つけることが必要です。

また、指導側もOJTの理解度が低いと指導にムラがでてきますので、OJTを導入する場合は、「OJT研修」など実施して土台作りをすると良いでしょう。

OJTは現場のリソースを奪うのと同時に、リアルタイムで指導するため人数には限りがあります。

これをカバーするために、動画研修を取り入れたり、誰がみてもわかりやすいマニュアル整備を進めて、研修者が「セルフチェック」できる環境があると、少ない人数でも生産性を高めて、指導にあたることが可能でしょう。

OJTに潜む「退職」のリスクとは

OJTとは?意味や目的、効果的に実施する方法をわかりやすく解説
ここまで、OJTの目的やメリット・デメリットをお話ししてきました。

OJTは成果が出やすい優れた教育方法ではありますが、運用方法を間違えると成果が出ないばかりか、退職につながる理由をお話し致します。

OJTはコミュニケーションが大切

これはOJTをしているつもりでも、客観的にみたら仕事の「丸投げ」状態だった。という事例です。

研修中に「しばらく、これをやっておいて」と伝え、トレーナーが不在になると新入社員は特に不安になる可能性があります。

途中でやり方がわからない時や、依頼したことが早く終了し、手が空いている状態など、本来はトレーナーから率先して声をかけ、フォローすべきですが異動してきたスタッフや新入社員の場合、雰囲気がつかめず声をかけにくい場合があります。

また「終わった頃に声をかけるね」と伝えていても同じです。
とにかく「待ち時間」があればあるだけ「放って置かれている」という感覚は増えるでしょう。

このようなコミュニケーション不足が発生しやすい状況は、下記のような場合が想定されます。

成長過程が体系化されていないと、研修者も指導者も「何のためにやっているのか」「どこまでやればいいのか」が明確にならず、その場しのぎの指導で終わり、成果が見出せません。

研修者に期待するスキル、人材像など大きなゴールを設定し、それに必要な積み重ねを教育スケジュールに落とし込んで、やることを明確にすればコミュニケーション不足はカバーできるでしょう。

仕事の中ではマニュアル化されない内容があっても、おかしくはありません。

しかし口頭ばかりの指導だと、理解に時間がかかる場合があります。
特に技術的なものだったり、相手の意図を汲み取らなければいけないような暗黙のルールなどです。

このような業務が多すぎると、次にどんなアクションをするべきかわからず思考停止になり、そうすると待ち時間も多くコミュニケーション不足に陥ります。

本来ならば口頭で伝えるような業務はどんどん改善し、誰がみても分かりやすくすることは大前提ですが、手作業や感覚が頼りな職人的な部分はどうしても標準化は難しいところがあります。
その場合は作業を撮影して、動画などで見返すようにしたりなどの対応も効果的です。

ほんの少しの声かけの差ですが、同じ作業、教育でも受けての印象は大きく違うでしょう。

「やっておいて」は一見、任されている感じで責任感も与えているように見えますが、指導という大前提では全く違います。
「やっておいては」は1人でやる作業の印象があり、丸投げをされていると受け取れます。

逆に「やってみよう」は一緒に取り組む印象があり、受け手としてもチャレンジとして前向きに捉えられます。
ほんの些細な言い方の差ですが、モチベーションに大きく差が出ることでしょう。

「任せる」と「教育」を同じにしない

OJTの目的は直接実務を指導して「間違いなくできるようにする」ことです。

一連の作業でポイントを絞り、進捗や疑問点を確認し、都度修正や解説を交えて最短で成果が出る方法を指導します。
そして、一度伝えたことをミスなく100%でやりきれる人材は稀です。
作業中にミスしそうになったり誤りがあれば、それを見つけてその場で指導することで成功体験は蓄積され、最短で成果につながります。

それに対して「任せる」とは、一連の作業の説明後のプロセス管理をせず、ただ作業の結果だけを確認するので、研修者が間違った認識をしていても正すことができず、成果につながりにくい作業を淡々と覚える可能性があります。

こうして比較すると、一見手間に見えるプロセス管理もする「教育」と個人の裁量に任せて確認が不十分な「任せる」という方法では、成長の過程において、どれだけ成果に違いが出るかがお分かりいただけるでしょう。

この「任せる」と「教育」の違いが、「必要とされているかどうか」や「このまま仕事をしていて成長できるかどうか」など、研修者のモチベーションに直結しています。
達成感や満足度が低いと最終的には「退職」という結果にもつながるので注意が必要です。

OJTを正しく進める方法

OJTとは?意味や目的、効果的に実施する方法をわかりやすく解説
では、OJTを正しく実行するために必要な4ステップと継続する仕組みをご紹介していきます。

OJT実行の4ステップ

実際の作業を現場でやって見せます。
大事なのは、「実際の現場」で行うことです。
理由は、作業イメージがしやすい事で理解度が格段に違うからです。

現場で指導が難しい場合はできる限り、作業場面を再現して研修者が同じ行動を取れる環境を作ると良いでしょう。

指導者は単純に作業手順や対応方法を見せるだけではなく、マニュアルでは表現できない注意点や、上手くやるコツなどを口頭で説明しながら模範をみせます。

接客など実際のお客様対応に同席させる場合には、事前にチェックシートなどを渡し、気になったところにメモをとってもらうと良いでしょう。
お客様の前から席を外した時や対応後にすぐにフィードバックなどを行うと効果的です。

実際に研修者が実務を行う段階です。

指導者は手順を確認しながら、間違えたらその場ですぐに修正します。
後からまとめて、修正点をフィードバックしても研修者は覚えられないですし、作業が終わってしまっているので、教育の効率が良くありません。

その場で修正、もしくはミスする前にアドバイスすることで、成功体験も積めて理解度を促進させます。

OJTを継続させる仕組み

現場で指導を行う先輩や上司の他に、メンタル面をサポートする存在がいるとOJTの軌道修正にも効果を発揮します。

メンターは人事部や部署を統括するマネージャー・部長など、立場の違う人材をサポートとして入れることで、キャリア形成の悩みや課題を見つけ、俯瞰した状態で研修を進めることができます。

メンターが持っている情報は、指導者にも共有し、現場のバイアスをできるだけ抜いた情報を持って指導にあたれるようにすると、研修を進めやすくなります。

指導者の育成も、OJTを形骸化させないためにも必要です。

指導が上手くなるのも時間がかかります。
特に初めて後輩をもったりする人材は、教え方に不安があることもあるでしょう。
自分が理解していることや、当たり前と思っていることが、指導の立場になると通用しないことが多々あります。

指導者になる前に、企業理念の再教育や指導のセオリーを共有し、実務に入る前にOJT研修として数回訓練すると、指導者も安心するでしょう。

また、定期的に外部機関のコーチングなどを利用してOFF-JTも行い、指導者の成長を促進させれば、マネジメント能力も高まり成果に直結する教育にもなります。

まとめ

今回はOJTについてご紹介致しました。
OJTは正しく実施できれば成果を生み続ける教育手法です。

形骸化させないためには、教育スケジュールや研修カリキュラムの策定は必須です。
指導者のフォローも含め、OJT研修を実施したり準備には一手間かかりますが、一度仕組みが回り始めれば、各個人のレベルに合わせて調整もしやすい教育手法なので、運用しやすいのも特徴の1つでしょう。

しかし、コミュニケーションが軸になる研修は一歩間違えると、デメリットが目立つ施策にもなってしまいます。

コミュニケーションは人材のモチベーションに直結する大事な要素でもあるので、丁寧に焦らず運用をしていけば、企業にとって大事な人材は成長し続けるはずです。

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