vol.8 :特別編!! CS先進企業の感動秘話〈CXシリーズ 最終回〉

2017年5月10日|カテゴリー「さつき先生 ,さつき先生アーカイブ
こんにちは!
「さつき先生」です。

CX(カスタマーエクスペリエンス)のテーマも今回で4回目ですので、締めの回とさせてもらいます。
実はどうしても、私が10年以上を過ごしたアメリカンエキスプレスのCX先進企業たる、感動秘話を公開したいと思って、今回4回目の特別編を書くことにしました。



前回、CXの先進企業には大きく2つの共通項目がある事を書きました。

【CX先進企業における共通項目】
  
1.エモーショナル コネクションの文化が形成されている事
エモーショナル コネクションを、ここでは情緒的なつながりと訳します。
助けを求めている人への救済的な意識の事で、日本の「おもてなしの心」と勘違いされますが、企業が本当に、何かに困っている人に、本気でなんとかしようという企業精神の事を指します。


2.現場への権限委譲が徹底されていている事
現場のリーダークラスがさながら上級管理職のような判断権限を有しており、中にはお客様に対して数万円単位の特別経費の決済権も有しています。
権限が大きい分責任も重いですが、CX先進企業の社員はその責任の重さをきちんと理解して、逆にその責任の重さを楽しんでいるように感じます。

ここで、20年以上前の話になりますが、さすがアメックス!と思わせる話をします。

当時24時間受付の夜中に1本の電話がニューヨークのホテルから来ました。
内容は、休みを利用してお父さんと幼稚園の息子さんと2人で旅行・宿泊していたそうですが、お父さんが朝起きたら急死をしていて、幼い子供さんだけが今ホテルに取り残されているが、どうしたら良いか?という内容でした。

当日は深夜という事もあり、管理職1名と数人のスタッフしかいませんでしたが、我々チームは、特に帰宅中の管理職に確認を取る事もせずに、自らの判断で動きました。
CS先進企業の感動秘話
一人は、幼い息子さんを無事に日本に帰国さるため、日本大使館と日本航空に連絡をして翌日以降の便を予約し、米国のアメックス・スタッフがホテルから空港までお父様の棺と息子さんをお連れする手続きを行い。

 もう一人は、亡くなったお父様の棺を用意し、日本航空への便に乗せるための特別な手続きを行い。

 もう一人は、深夜に日本のご家族に電話をして事情を説明して、お父様の棺と息子さんが無事に日本に帰れるように全力でサポートするよう今後の予定などを説明しました。

この間、多分1時間~2時間でしたが、誰に指示される事なく、アメックスの数人の社員は全力でお父様と息子さんを日本に帰国させるために全力でサポートしました。

そこには、マニュアルなどは存在しなく、まさに、エモーショナル・コネクションの文化と権限委譲された社員によって、お客様の今困っている状況を何とかしてあげたいという一心で皆、知恵を絞って対応をしました。

結果的に、無事にお父様の棺も息子さんも同じ飛行機で帰国する事ができ、成田空港で待っていたお母様にお父様と息子さんを引き渡す事ができました。

この対応は、当時の新聞でも取り上げられ、全世界のアメックスの応対審査でも「Great Performer」として大賞を受け、世界に日本の対応の素晴らしさを示す事ができました。
やはり、CX先進企業には、必ず伝説となる感動対応、「Wow!」と言わしめる対応がありますので、皆さんのコールセンターでも、こんな感動対応があれば、是非、全社で共有してもらいたいと思います。

一旦今回でCXのテーマも終了です。
  
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