モニタリング前に知っておきたいこと

コンタクトセンターの「モニタリング」を実施する前に知っておきたいことを確認しておきましょう。

モニタリング評価項目の代表的な要素

電話モニタリングでは、以下の要素をもとに、評価項目を設定していきます。

代表的な要素
音声表現速度(スピード)、声の高低、声の音量、明瞭さ、抑揚、ポーズ、文末、イントネーション、声質、アクセント、トーン ・・・ 等
言語表現敬語、接遇用語、癖、説明方法、共感・配慮の言葉、あいさつ ・・・ 等
正確性・迅速性       誤りのない説明、質問に対して適切な回答、迅速な回答 ・・・ 等


よくある評価項目の例

以下はよくみられるコンタクトセンターでの評価項目の例です。
センターによっては、できているレベルにあわせて段階評価(0点~5点等)をおこなっていきます。
評価項目例


診断に適した音源

応対時間

基本的には、3分以上~10分以内がよい。

・応対時間が短すぎると評価項目の全てを評価できないことがある
・応対時間が長すぎると、稼働負担が大きくなるとともに、点数にブレが生じやすい

※コール内容によるが、コンサルティングセールスやクレーム等は長くなりやすい。

応対内容

・「応対者」が一方的に話をし、「お客様」は相槌程度しかしないような会話は診断が難しいことがある。また、反対に「応対者」がほどんと話していない応対は評価が難しい。

・途中しか録音されていない

「オープニングの名乗りが録音されていない」や「最後の名乗りが録音されていない」音源は、評価ができない


・問い合わせへの案内が完結していない音源

問い合わせへの案内が完結していない音源も評価が難しいことがある。
例としては「折り返しお電話します」「確認してから再度電話します」等で切電している。

・評価できない評価項目がある

例としては販売トークを評価する際、「否定的なお客様に対して切り返すことができる」という評価項目があるものの、「お客様が前向きで否定的な発言はない」という場面などが該当する。
この場合、「評価不可(NA)」としたり、「3点とする」とあらかじめルールを決めておくとよい。

診断の流れ

モニタリングを実施する際には、以下の流れで進めるとよいでしょう。
また、複数人でモニタリングを実施する際は、カリブレーション(評価の意識合わせ)をおこない、評価結果にブレが生じないようにしておきます。
- 進め方 内容
1 事前準備をする 評価項目や評価基準を理解しておく
2 音源を聴いて、点数をつける 【基本例】
①応対全体を聴き、評価項目と評価基準にそって点数をつける。 その際気になる点をメモしながら聴く。
②聞き漏らしや迷った箇所があった場合は、その点を中心に聴き直しを行う。
③評価結果をモニタリングシートにまとめる。
3 コメントを記入する 点数やメモを参考にしながら作成する。
・良かった点:点数の高い項目の内容
・改善点:点数の低い項目の内容

※改善点ばかりのコメントにならないようにする。
※コメントは具体的に書く。
4 記入漏れがないかチェックする 評価結果シートに記入漏れがないかを確認する


定性評価コメントの構成

定性評価コメントは、モニタリング対象となる応対の「良い点」と「改善点」について書きます。
場合によっては「改善点」に対する「改善方法」や「アドバイス」、「今後のエール」を書くこともあります。

定性評価コメントは、『どうすればこの応対がさらに良くなるのか?』を考え、客観的な視点で作るようにします。
その際、事実を具体的にコメントすることが大切です。

コメントの優先順位をつける

コメントは「良い点」「改善点」のどちらかに偏りすぎないようにし、それぞれ3つ程度までとしましょう。
「改善点」にコメントしたいことが多くあった場合は、改善したい優先度の高いものを選びます。

優先順位のつけかた

コメントの優先順位を決める際には「点数」も確認しましょう。
「良い点」については、点数が高い評価項目から選びます。「改善点」については、点数が低い項目から選びましょう。
点数が低いにもかかわらず良い点としてコメントしたり、点数が高いにもかかわらず課題点としてコメントすると、整合性がなくなることがあります。

評価項目の偏りがないようにする

例えば「改善点」のコメントで「語尾の癖」についてのコメントにならないようにします。
「語尾の癖」の1つとして、他は「傾聴スキル」や「話すスキル」から可能な限り選ぶようにしましょう。

■ 「改善点」のコメントばかりで、「良い点」については触れていない
⇒ 「改善点」ばかりを指摘され、オペレーターは自信を失ったり、やる気を失くことにつながる

■ 具体的でないコメント
⇒ 「印象の良いオープニングです」
これだけでは、なぜ「印象が良い」のかが伝わりません。
「声の表情が明るいため」なのか「明瞭な発音でゆっくりと話しているため」なのか等、根拠が必要です。

良い例としては以下のようにコメントします。
「オープニングでは、明るい声の表情と、落ち着いたスピードで名乗ることができています。
また、一度で聞き取れる明瞭な言葉で話し、良い第一印象を与えています」


モニタリングに関連した研修カリキュラム

コンタクトセンター向け研修・応対品質評価・アセスメント

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