企業におけるネットの悪評・風評被害対策

2022年2月25日|カテゴリー「『ビジネストレンド』コラム
企業におけるネットの悪評・風評被害対策
企業の成長、ビジネスの拡大には「ビジネスモデル」「事業計画/戦略」、そして「ヒト・モノ・カネ・情報」が大切になってくる。そんな普遍的な話は、このコラム読者であれば重々ご承知のことと思います。

そしてITやAIの発達により、webマーケティング/デジタルマーケティングの世界でも新しい手法が次々と開発され、スタートアップ企業やベンチャー企業でも早期に顧客にアプローチができる世の中になっているのもご存じのとおりです。

そんな「ビジネスモデル」「事業計画/戦略」を描き「ヒト・モノ・カネ・情報」を駆使して時代にあったマーケティングを実践すれば企業の成長、ビジネスの拡大を実現しやすい時代において「良い人材が来ない、採用できない」「なぜか業績が伸びない」という事態に陥っている企業があれば、もしかすると意外な落とし穴にはまっている可能性があります。
もし思い当たる事があれば、このコラムをご覧になり、一度検証してみてはいかがでしょうか?

ネット上にでてくる様々な口コミ

飲食店のオーナーや店長が「食べログ」の口コミを気にするように企業の人事、採用担当者は採用系口コミサイトの自社投稿を一度は見たことがあるのではないでしょうか?

求職する若い世代の多くが採用系口コミサイトを見て「この企業に募集しようか?」「内定をうけようか?」など思案しています。
ネットを検索すると求職活動者向けに採用系口コミサイトの活用方法が沢山でてきます。事実誤認、事実無根の低評価の口コミは採用活動にダイレクトに影響してきます。

ただ企業の口コミは採用系口コミだけではなく、ネット掲示板の媒体でも「5ちゃんねる」「爆サイ」「したらば掲示板」など多数存在しており、「e戸建て」「マンションコミュニティ」など業界に特化した掲示板、更にファイナンス系のサイトにも口コミ機能が存在します。
またGoogle検索時に表示されるマイビジネスにも口コミ評価が書けるため、このあたりも悪評や風評の注意が必要となります。

企業の悪評をネット上に書かれると、求職者の離反のみならず顧客もそれを鵜吞みにして「お願いしようと思っていたけど辞めようかな」「今まで買っていたけど次は他社にしようかな」「株を買わないでおこうかな」と業績の風評被害になるリスクがあり、対策が望まれます。

ネット検索で出てくるネガティブワード

読者の皆さんは「このお店行こうかな」「この商品買おうかな」「この会社と取引しようか」という時、そのサービス名や企業名を検索エンジンで調べることがあるのではないでしょうか?

そしてサービス名や企業名を検索エンジンの検索フォームに入力すると予測されたキーワードが他にもでてくると思います。
これをサジェストと言います。
サジェストはよく検索されるキーワードなどを元に、ユーザーが知りたい情報を予測して提案してくる機能ですが、そこに悪評、風評につながるネガティブワードがでると、それだけで悪い印象を持たれる可能性があります。

例えば「(企業名) 高い」「(企業名) 詐欺」「(企業名) ブラック」「(企業名) インチキ」などです。
もし企業として見られたくない口コミや投稿、記事があった場合、サジェストを足掛かりとしてユーザーが、その記事されてしまう結果となります。

また同じくサービス名や企業名を検索した結果、GoogleやYahoo!の場合では下の方に「他のキーワード」として関連するキーワードがでてきます。ここにもネガティブワードが出てくる場合もあり注意が必要です。
更にはネット上に自社のネガティブな口コミや記事がなくともネガティブワードがでてくる場合もあります。一度、自社のサービス名や店舗、企業名で検索してみてはいかがでしょうか?

企業にとってのデジタルタトゥー

企業にとってのデジタルタトゥー
一度、ネット上に記事や書き込み、画像が掲載され、それが拡散すると半永久的にネット上に残る。
それがデジタルタトゥーです。

個人でも大きな問題でありますが、企業にとっても人材採用や業績に大きな影響をおよぼす可能性があります。
例えば自社や自社役員・従業員が何か問題を起こしたことがあるとします。もしくは掲示板に自社の悪評につながる口コミが投稿されたします。
それが拡散されたら半永久的にネット上に残ることとなります。拡散される前に早めの対策が必要となります。

ただそれだけではありません。
会社が以前に問題を起こした後、社名や資本も変えて事業をリスタートしたとします。
新たに事業を展開していても、自社名やサービス名を検索すると、先述のサジェストや「他のキーワード(関連キーワード)」に前の会社名やそれに付随するネガティブワードがでてくることがあります。
そうなると「我々は前の会社と関係ない」と言っていても、それを見た人は悪い印象をもち、悪評・風評被害につながりかねません。

企業におけるネットの悪評・風評被害の事前対策

「ビジネスモデル」「事業計画/戦略」を描き「ヒト・モノ・カネ・情報」を駆使して時代にあったマーケティングを実践しているのに「良い人材が来ない、採用できない」「なぜか業績が伸びない」場合、もしかしたらネットの悪評・風評被害が原因かもしれない。
そんな落とし穴をご紹介してきました。
ここからは具体的な対策について、ご紹介していきたいと思います。

①従業員の教育

「プライバシーマーク」や「ISO2700/ISMS」を取得にするために既に従業員教育を行っている企業も多いでしょう。
内部から風評被害が発生することを防止するため従業員教育は重要な取り組みの一つです。
管理職・非管理職正社員・アルバイトや派遣従業員等、それぞれが従業員としていかに行動すべきかという観点から、ソーシャルメディアの使い方などを考える機会を作ります。

一方的に社内ルールを伝えるだけではあまり効果がない可能性もあります。
個々の従業員が行動規範やネット利用のあり方を主体的に考える機会にするためには、正社員・非正規従業員を問わず建設的な意見を述べられるようなグループワーク形式での研修が望ましいでしょう。

②ガイドラインやポリシーの策定

上記の従業員教育とも関連する事前対策として、ネット利用に関するガイドラインを策定することが推奨されます。
そこには、最低限でも下記のような内容が盛り込まれる必要があります。

・企業・従業員個人のネット利用全般に対する企業の立場や考え方
・公式SNS運用担当者が守るべき事項
・従業員の私的なSNS利用に関する注意事項

是非、上記を参考に策定してみてください。

③危機管理体制の整備

悪質なデマや誤情報が拡散してしまった場合を想定し、エスカレーションルール(エスカレーションフロー)を定めておく必要があります。
エスカレーションルールとは、緊急の事象が生じた場合の対応の手順を定めたもののことです。誰に判断を仰げばいいのか、何を基準に意思決定するのか、どの時点までに経営陣に報告するのかといった手順を決めておきます。

報告が必要な事象の種類やレベル、事実把握から報告までの手順を詳細に定めたエスカレーションルールは、いざというときの対応マニュアルになります。
このルールを定める目的は、あくまで「危機管理としてのデマ・誤情報拡散防止」です。
それゆえに「報告者を非難しない・責任追及しない」ということ明文化しておきましょう。

デマや誤情報と誤認して報告した従業員がいたとして、そのことが非難の対象となるようであれば、「間違っていたら怒られるから報告しない」という行動につながります。
デマや誤情報が本当に発生したときに必ず報告されるように、一定数の誤認報告はありうるものと想定しておく必要があります。

④風評被害の口コミや書き込みをモニタリング

風評被害の拡散を速やかに検知し対処するために、平時からウェブ上に投稿された自社の風評被害をモニタリングしておくことも重要です。
モニタリングを実行するには、手作業でやろうとすると莫大な労力を費やすことになります。
通常業務に支障をきたしかねないため、モニタリングを委託したり、自動監視ツールを活用したりするのがおすすめです。

アークレスト法律事務所では、自動監視ツールの「風評監視システム」をご提供しています。
ネット上の検索エンジン、SNS、掲示板などを幅広くモニタリング可能です。

<対応範囲>
Twitter、Googleサジェスト・関連ワード、Yahoo!サジェスト・虫眼鏡、5ちゃんねる、爆サイなど、検索結果上位50位、Googleマップレビュー

また、モニタリングのみのサービスとは異なり、当事務所では「削除依頼」、「犯人特定」、「犯人の責任追及」までをワンストップで対応できます。
風評を検知したあとの対応まで、すべてお任せいただけます。

企業におけるネットの悪評・風評被害に遭ってしまった場合の対策

仮に事前対策が万全だとしても、風評被害に遭う場合もありあす。
ここからは実際に風評被害に遭った場合の対処法をお伝えします。

①声明文の発信

メディアによる誤報や事実無根の情報の流布、誤解による口コミなどが社会に誤解を与えている場合、当事者としての見解を発表します。
方法は、企業公式サイトのトップへの掲載やニュースリリースの配信などです。
あわせて、速やかなクライシスコミュニケーションを取ることも必要です。
クライシスコミュニケーションとは、風評被害等のリスク発生後に取引先や顧客等のステークホルダーやメディアに対して行う情報開示のことで、メディア向けの謝罪会見もこれに該当します。

風評被害が発生した場合は、直ちにクライシスコミュニケーションを開始して事実をステークホルダーに知ってもらうことが大切です。
情報発信が遅れたり、事実関係の説明が不明瞭だったりすると、やましいことがあるという疑いを持たれて、さらなる被害の拡大を招いてしまう可能性があります。

②風評被害にかかわる書き込みの削除依頼

風評発生源となっているSNSや匿名掲示板の書き込みへの対策も重要です。
サイト管理者に削除請求を出し、申請が承認されれば削除されるという流れが一般的です。
書き込みの削除依頼は社内の担当者が行うことも可能ですが、弁護士を通したほうがサイト管理者等の相手方が依頼に応じてくれる可能性が高くなり、手続きもスムーズに進みます。
サイト管理者が削除を拒否した場合は裁判手続きが必要になるので、やはり最初から弁護士に依頼しておいたほうが安心です。

事後対策としては、ほかにもプロバイダ責任制限法に基づき投稿者本人を特定する方法があります。目的は謝罪や損害賠償の請求です。
この場合は、最初にサイト管理者に対して投稿者のIPアドレス開示請求を行い、開示されたIPアドレスをもとにプロバイダを特定して、当該プロバイダに対して投稿者の氏名・住所の開示請求を行います。

③公的機関への相談

業務妨害罪(刑法第233条・第234条)等の犯罪が疑われる悪質な書き込みによって被害を受けたときは、警察に相談できます。
また、総務省の「違法・有害情報相談センター」も、ネット被害の相談を受け付けている機関です。
相談センターに連絡すれば、ネットのトラブルに遭ったときの一般的な対処方法や書き込み削除の依頼方法などをアドバイスしてくれます。

④弁護士への相談

風評被害を受けた場合に、弁護士に相談するメリットは、法的な対応がすぐに取れることです。
掲示板やSNSへの投稿削除要請や発信者情報開示請求、さらには損害賠償請求といった法的措置を取ることになったときも、弁護士の協力が必要になります。
風評被害の根本的な解決を望むときは、はじめから弁護士に相談することが時間や労力の無駄を省くことにつながります。

⑤その他

投稿(口コミ)の削除を代行する風評被害対策業者が存在するようです。このような業者の業務は、「非弁行為」にあたり違法の可能性があります。
弁護士法の解釈では、弁護士資格がなければ、報酬を得て投稿削除依頼の代行をすることはできないのです。

また自社の顧問弁護士もネットトラブルに精通しているか確認も必要です。
もし精通していなければ対応が後手になる可能性もあるので、得意としている弁護士に依頼した方が解決は早くなります。

最後に

企業におけるネットの悪評・風評被害の対策について記載してまいりました。
ネガティブな投稿は別のサイトに転載されるなどして次々に拡散し、時間が経てば経つほど削除などの対策が困難になります。
そのため、できるだけ早期に対策を講じて解決を目指すことが重要です。また、ここで記載した対策以外にもいくつか方法はあります。

アークレスト法律事務所では、ネット悪評・風評被害対策に強い弁護士が悪評・風評被害に遭ってしまった企業の取るべき対策を客観的に、かつ個別の事情を考慮しつつ示すことが可能です。
被害の拡大を防ぐためにも、悪評・風評被害で悩んでいる企業の担当者の方はぜひアークレスト法律事務所にご相談ください。

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このコラムを書いたのは

弁護士法人アークレスト法律事務所
代表弁護士:野口 明男 
(東京都出身 京都大学工学部卒)


旧司法試験に合格し、平成17年に弁護士登録後、日本最大規模の法律事務所において企業が抱える法律問題全般について総合的な法的アドバイスに携わる。
弁護士と企業とのコミュニケーションに最も重点を置き、中小企業の経営者のニーズ・要望に沿った法的アドバイス及び解決手段の提供を妥協することなく追求することにより、高い評価を得ている。
単に法務的観点だけからではなく、税務的観点、財務的観点も含めた多角的なアドバイスにより、事案に応じた柔軟で実務的な解決方法を提供する。

〒103-0013
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