最近電車で移動しているときに、スマホで漫画を読んでいる乗客をよく見かける。
以前であれば漫画雑誌を車中で読んでいる人はそれほど多く見かけなかったが、漫画を読みたいと思う人がデバイスの多様化、利便性向上によって顕在化したのかもしれない。
私は普段漫画はあまり読まないが、今回一つの作品を紹介したい。
タイトルは、「江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)」。
本作品は江戸時代中期に流行した、山東京伝の黄表紙の代表作。
黄表紙は文芸ジャンルの一つで、絵と文章で構成される現代の漫画のようなものである。
この作品と出会ったのは本当にふとしたことがきっかけであったが、内容が興味深く、ユーモアに溢れていることが紹介する所以でもある。
あらすじを簡単に紹介すると、主人公の艶二郎(19歳)は大金持ちの一人息子でブサメンの非モテ男。
近所の道楽息子などと一緒に、金にモノを言わせてあの手この手でモテ男を目指す、という期待に胸弾ませる物語である。