第218回【私の休日の過ごし方】BY「hiroshi,fujioka」

2018年6月27日|カテゴリー「スタッフブログ過去ログ
とある休日、台東区という東京23区のやや北東に位置する
上野や浅草など都内有数の観光スポットを擁するエリアへと向かった。

「古き良き日本人の美しき心が失われて久しい・・・」

かねてより、時代変化とともに薄れゆく日本人としてのアイデンティティに
危機感を募らせていた私は、忘れかけた日本の心を求めて街を歩き、
その名残りを見つけることで心を充足させていた。

上野や浅草の観光スポットの魅力には十分に触れてきたという手応えを
感じはじめていた私は、さらに踏み込んだ探求を目指して
奥浅草と呼ばれる浅草寺の北側(観音様の裏側)方面に歩を進めていった。

奥浅草には赴きある店舗がいくつも並ぶ商店街があった。
下町らしいレトロさを感じさせる店、少し敷居の高そうな老舗感のある店。
いくつもの店が魅力的に映ったが、さらに奥へ奥へと歩き続けた。

やがて店や人影も少なくなり、住宅街にすっかり紛れ込んでいた。
しかしながら下町の住宅街は想像していた賑やかさとは異なり静まり返っていた。

「下町といえども都会の一端であることに変わりはないのか・・・」

元気に遊ぶ子供や活気ある大人の生活感あふれる日常を思い浮かべていたが、
そのような原風景を浅草奥の住宅地でさえ、見つけることができなかった。

「本当の日本人の心というのは、日常の暮らしの中にあるものだ」

以前師事していた先達の言葉が思い返された。
しかし、私が求めていた日本の心を感じさせる風景はどこにもなかった。

降り立った駅とは別の駅を目指してこのまま住宅街を抜けて帰ろうとした、
その途中で気が付いた。ここには無数の銭湯があることを。

そして隣接するコインランドリーに、地元民と思しき女性と談笑する
旅行客のような外国人男性の姿があった。


こんな住宅街のコインランドリーを選ぶ外国人男性のセンスに驚嘆しつつ、
さりげなく言葉を交わす日常生活の一角に胸が熱くなった。

「日本の心はもはやボーダーレスであったか・・・」

人気のない住宅街で会心のガッツポーズをした私は、
勢いそのままに地下鉄の駅へと吸い込まれていった。

そして私の休日は終わったのだった。