<第15講目>『お茶出し』から仕事の奥深さを学ぼう!

2017年8月9日|カテゴリー「TAMA先生 ,TAMA先生アーカイブ
みなさん、こんにちは。
「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第15講目を始めます。
<第15講目>『お茶出し』から仕事の奥深さを学ぼう!
今回のテーマは、


「『お茶出し』から
仕事の奥深さを学ぼう!


です。


◎○ 「お茶出し」のスキルを高める? ○◎

みなさまは「お茶出し」というお仕事を、普段なさっていますか?

「お茶出し」は、お茶やコーヒーなどの飲み物をお盆(トレイ)にのせて運び、来客中のお客様にお出しする仕事です。
この「お茶出し」は、今から1,000年以上前の中国(唐時代)の「喫茶去(きっさこ)」に由来すると言われている、
大変歴史ある作法です。

「お忙しい中わざわざ私たちの会社まで足を運んでいただいて、ありがとうございます」
「どうぞごゆっくり、おくつろぎくださいませ」
というおもてなしの心を、適切なビジネスマナーでお客様に伝えることで、
お客様との関係構築につなげていくための、とても大切な仕事の一つといえます。

以前は、「お茶出しは女性の仕事」「新入りの仕事」「事務方の仕事」などのような価値観が強かったこともあり、
特に男性の方は、新人研修で教わったきりの方や、そもそも教わっていないという方が多いかもしれません。

しかし今では、男女や職種、職歴などの枠を超え、新入社員研修のみならず、通常のビジネスマナー研修などでも、
「お茶の入れ方」や「お茶の出し方」を学ばせる会社も多いと聞きます。

そこで今回は、お茶をお盆(トレイ)にのせるまでの「お茶の入れ方」や、
実際にお客様にお出しする際の「お茶の出し方」について、説明をしたいと思います。


◎○ 「お茶の入れ方」 ○◎

暑い夏などには、あらかじめ冷蔵庫に用意しておいた麦茶ポットやペットボトルのお茶などを使ったり、
コーヒーメーカーを使ってコーヒーを用意することが多いのではないかと思いますが、
ここではもっともポピュラーな、急須を使った温かいお茶の入れ方について説明いたします。

まず、湯呑みや急須はあらかじめ温めておくことが、おいしいお茶出しのポイントです。
お茶の葉はあまりに多いと渋くなりすぎてしまうため、多くならないように心がけましょう。
お茶の温度は諸説ありますが、番茶やほうじ茶は100℃、玉露は70℃など、他は概ね80℃などと言われています。

また、お出しするお茶が多いときは、少しずつ、かつ万遍なく湯呑みにお茶を注ぎ、濃さを一定に保ちます。
お茶は7分目くらいを目安に注ぐとよいでしょう。

そして、急須に入っているお茶の最後の1滴まで注ぎ切るのが、美味しいお茶の入れ方と言われています。

以上が、一般的な「お茶の入れ方」です。

◎○ 「お茶の出し方」 ○◎

次に、お茶の出し方について説明いたします。

まず、お盆(トレイ)に湯呑み茶碗、茶托をのせ、布巾を用意しておきます。
手のひらはお盆の下に、高さは胸の位置におき、こぼれないように静かに運びましょう。

入室時は必ずノックをし、「失礼します」と軽く会釈をして入室しましょう。
その際、お盆(トレイ)は正面から5cmほど左にずらして持つようにします。
茶托と湯呑をセットする台がない場合は、お盆の上で茶托に湯呑をセットするようにしましょう。

お茶を出す順番は、お客様の中で目上の方、部屋の上座にご案内している方からにします。

最後に、「失礼いたします」と会釈をして、静かに退室します。

以上が、一般的な「お茶の出し方」です。


◎○ 「言葉」より「経験」が問われる ○◎

おそらくここまでお読みいただいた方の多くは、
「特筆すべき内容ではない」「そんなものだろう」と感じられたことと思います。

しかし、この「お茶出し」という仕事は、今の説明で終了できるほど簡単なものではありません。

例えば
「来客応対の時間が長引いた時のタイミング」
「頻繁に来客されているお客様が好まれる飲み物の下調べ」、
「急な来客時のスムーズな対応」「お盆(トレイ)内での湯呑のセット方法」
などなど、「お茶出し」のコツや注意すべきことは、まだまだたくさんあります。

また、冒頭で申しあげたように、「お茶出し」は「お客様を適切なビジネスマナーでおもてなしする」行為ですので、
「自身の身だしなみが整っているか」
「湯のみやにひびが入っていないか」
「布巾はきれいで清潔か」
などをあらかじめ確認しておく、最低限以上の気づかいが求められます。

どのような仕事でも、経験しなければ分からないその仕事独自の大変さやコツがあります。
「お茶出し」もその例外ではありません。

誰にでもできる簡単な仕事のように見えて、かなり奥深い仕事であるため、
頭で理解するだけでなく、経験を積み上げながらスキルを高めていくことが大切です。

研修では、ここでご紹介した「お茶出し」の基本動作を練習していただいた後、
「お茶出し」で気をつけるポイントや準備の仕方のコツなどについても学んでいただいています。


それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第15講目を終了いたします。


◎○ 次回もお楽しみに! ○◎
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