TAMA先生

TAMA先生のワンポイントレッスン!
2017年5月23日|カテゴリー「TAMA先生
みなさん、こんにちは。
「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第10講目を始めます。


<第10講目>『ハローのゆがみ』を防いで、正しい評価につなげよう!
今回のテーマは、

『ハローのゆがみ』を防いで、
 正しい評価につなげよう!


です。


◎○ 『ハローのゆがみ』とは ○◎

みなさまは「ハロー」という言葉の音を聞いて何を思い浮かべますか?

一番多い答えはおそらく英語の「こんにちは(Hello)」ではないかと思います。
あるいは、天気予報でたまに聞く「波浪(はろう)警報」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし今回は、その「ハロー」ではなく、「後光」を示す「ハロー(Halo)」についてご紹介したいと思います。

人事部門にお勤めの方や、採用面接などを担当されたことがある方、心理学を学んだことがある方などは、
「ハロー効果」という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。

「ハロー効果」はコロンビア大学のエドワード・ソーンダイク教授が提唱した「他者評価に対する評価エラー(ゆがみ)」のことと言われています。

ではなぜ「後光」が評価のゆがみを作り上げてしまうのでしょうか。
「ハロー効果」について、もう少し見ていきましょう。


◎○ 後光が差す「ハロー効果」 ○◎

「ハロー効果」には大きく分けて

 ・評価項目自体が関連し合っている(もともと関連するように設定してある)こと(「真のハロー」)
 ・評価者が起こしやすい評価のゆがみ(「ハローエラー」)

の2つがあるとされていますが、今回は後者(「ハローエラー」)について説明いたします。

「ハローエラー」とは、「ある特定の際立つ評価項目の評価が、他の評価項目にも大きな影響を与えること」と説明されます。

「ハローエラー」には、

・ある項目の良い印象に影響されて、他の項目も良く評価してしまう「ポジティブハローエラー」
・ある項目の悪い印象に影響されて、他の項目も悪く評価してしまう「ネガティブハローエラー」

があります。

・「ポジティブハローエラー」の例

 「字をとても上手に書くことができる人は、身だしなみもしっかりしているだろう」
 「あの人はとても明るい性格の人だから、営業成績も良いだろう」
 「難関資格を持っているんだから、仕事も抜群にできるだろう」  

・「ネガティブハローエラー」の例

 「字が汚いから、身だしなみもちゃんとできていないに違いない」
 「あの人は口下手だから、お客様から信頼を得ていないだろう」
 「学歴が低いから、仕事もできないだろう」

というように、それぞれの項目の因果関係は薄いにもかかわらず、
際立つ特徴を持つ項目の印象が「後光」のようになってしまい、
本来評価すべき他の項目のことが見えなくなってしまうことにより評価のゆがみが発生することです。

マーケティングでは昔から、世間のイメージがよいタレントをCMに起用するなど、
「ポジティブハローエラー」を利用した営業・広告活動が行われています。

しかし、人事考課など、人の評価を正確に行わなければいけない時などは、
「ハロー効果」に十分注意しなければいけません。

特に自身が「後光」に感じてしまうような要素があるようなら、
それを自覚し、その「後光」に惑わされないよう、意識して評価を行うことが必要です。


◎○ まだまだある「評価エラー」 ○◎ 

有名な「評価エラー」は、「ハロー効果」の他にもまだまだあります。
以下は一例です。

「中心化傾向」
 部下への気遣いや、情報不足からくる自信のなさなどが影響し、
 評価結果が「標準」や「普通」といった真ん中の評価に偏ってしまう

「寛大化傾向」
 「部下から嫌われたくない」「嫌なことを伝えたくない」という思いから、実際よりも甘く評価をつけてしまう

「対比誤差」
 評価者自身の価値観や能力を基準に相手を評価してしまう 

「評価エラー」を完全になくすことは難しいかもしれません。
しかし、評価をする立場になった場合は、自分が陥りがちな評価エラーに注意しながら実施することが大切です。

そうすることで、評価をされた人の納得感も高まり、お互いの信頼感の醸成にもつながっていくはずです。

研修では、講義やワークにより、評価者が陥りやすい「評価エラー」について理解を図り、
自身が陥りやすい「評価エラー」とその対策について、具体的な評価計画とともに作成していただいています。


それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第10講目を終了いたします。

◎○ 次回もお楽しみに! ○◎
2017年5月16日|カテゴリー「TAMA先生
みなさん、こんにちは。
「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第9講目を始めます。


<第9講目>クレームを『4象限』で整理して上手に応対しよう!
今回のテーマは、

クレームを『4象限で整理して
 上手に応対しよう!


です。


◎○ 「クレーム」とは ○◎

みなさまはお仕事で「クレーム」を受けたとき、どのように応対していますか?

「クレーム」という言葉から、プラスのイメージを持つことはあまり多くないと思います。

「クレーム」は通常、提供したサービスや商品などに問題があった時に発生し、
「クレーム」をおっしゃる方はお怒りや不満を持っていることがほとんどです。
時には、とても対応できない要求をしてくる方もいらっしゃいます。
そのため、「できれば応対したくないな・・・」と感じられる方が多いと思います。

しかし、「クレーム」は「企業に対するメッセージ」「企業に対する期待のあらわれ」とも言われています。
例えあまり気が進まなかったとしても、しっかり応対しなければ、クレームがさらに大きくなり、
企業のイメージを損ねたり、お客様を失ってしまうことになりかねません。

そこで今回は、上手にクレーム応対を行っていくための考え方の一つである、
クレームの整理方法についてご紹介したいと思います。


◎○ クレームを4象限で整理 ○◎

クレームを「クレームの内容」と「要求の種別」で、マトリクスを使って分類します。

 A:「クレームの内容」が妥当であり、かつ「要求」は対応可能なものである
 B:「クレームの内容」に間違いがあるが、「要求」は対応可能なものである
 C:「クレームの内容」は妥当であるが、「要求」は無理難題(対応不可能)である
 D:「クレームの内容」に間違いがあり、かつ「要求」は無理難題(対応不可能)である

上記4つを簡単に説明してまいります。


◎○ 「要求の種別」が対応可能なグループ(A・B) ○◎ 

A:「クレームの内容」が妥当であり、かつ「要求」は対応可能なものである

クレームをおっしゃる方の言い分は適切です。
そのため、最後まで誠実な対応を行い、クロージングに結び付けていくことが大切です。
このクレームが大きくなっている場合、クレームの内容そのものよりも、
クレームを受けた時の初期対応の仕方等に問題がある可能性があります。
もし他の人が初期対応を行い、クレームを大きくさせてしまった場合は、そちらの改善を行うことも必要です。 

B:「クレームの内容」に間違いがあるが、「要求」は対応可能なものである

クレームをおっしゃるお客様が認識違いをしていたり、誤った事実認識をしているパターンです。
その間違い・誤認識が正しいものになることで、要求自体が取り下げられることもあります。
ただし、間違いを正すことだけに気をとられると、相手の気持ちを損ね、違うクレームを発生させかねません。
まずは相手の言い分をしっかり受け止めてから、どの部分が間違っているのかを丁寧に説明し、理解を得ましょう。


 ◎○ 「要求の種別」が無理難題(対応不可能)なグループ(C・D) ○◎ 

C:「クレームの内容」は妥当であるが、「要求」は無理難題(対応不可能)である

Aと同様、クレームをおっしゃる方の言い分は適切なため、無理難題でも対応してしまおうとしがちです。
しかし、対応ができないのに無理な約束をしてしまうことは、新たなクレームを引き起こす要因となります。
そのため、無理難題な要求に応えられないことを丁寧にお断りしたうえで、代替案を提示していきましょう。
また、どのラインが「対応可能」と「無理難題」の境目になるかをあらかじめ把握しておくことも大切です。

D:「クレームの内容」に間違いがあり、かつ「要求」は無理難題(対応不可能)である
 
Bと同様、クレームをおっしゃるお客様が認識違いをしていたり、誤った事実認識をしているパターンです。
間違いが正されれば、要求自体が取り下げられることがありますので、まずはBと同じ対応が求められます。
ただし、最初に口にした無理難題の要求を取り下げなかったり、違う無理難題の要求をしてくることもあります。
その場合はCと同様、代替案を提示して理解を得ていきます。
長時間に及ぶこともあるため、粘り強い対応が求められます。


◎○ クレーム応対の実践スキルを向上させる ○◎

クレームを整理してみることで、クレーム応対の方向性が少し見えてきたのではないでしょうか。

方向性が見えてきたら、あとはそれを実行に移すのみです。

実行に移すためには、実践的な応対スキルを高めていくことが大切です。

高めるべきスキルは、謝罪のスキル、聴くスキル、話すスキル、(対面応対時の)立ち居振る舞いなど多くあります。
管理者の方であれば、上記に加えてクレーム応対指導のスキルも高めていかなければいけません。

日頃から意識して業務に当たったり、トレーニングを行うことによって、スキルを高め、クレームの収束につなげましょう。

研修では、クレーム応対の流れや必要なスキルについて確認したあと、
4つのケースのケーススタディやロールプレイングを行い、クレーム応対実践力を高めていただいています。


それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第9講目を終了いたします。

◎○ 次回もお楽しみに! ○◎
2017年5月9日|カテゴリー「TAMA先生
みなさん、こんにちは。
「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」第8講目を始めます。
<第8講目>良い行動や成果につながる『2つのスキル』を磨こう!
今回のテーマは、

良い行動や成果につながる
『2つのスキルを磨こう


です。


◎○ 「能力」とは ○◎

「能力」という言葉から、みなさまは何を想像されますか?

 ・何か凄いことをするための特殊なスキル
 ・テストで高得点を取ることができる力
 ・仕事を上手く行うための基礎
 ・コミュニケーションのスキル
 ・これまでの経験で得た様々な知識や知恵

など、人によって「能力」という言葉の捉え方は様々だと思います。

では「スキル」という言葉ではどうでしょうか?
おそらく、先にあげた「能力」と「スキル」で、それほど変わらないのではないかと思います。

ただ、インターネットで検索をすると、この「スキル」と「能力」の違いについて
詳しく解説していらっしゃるサイトが多く見つかります。
もちろんサイトによってその定義はまちまちです。

そこで今回は、「スキル」と「能力」の関係について私たちなりに整理したものをご紹介したいと思います。


◎○ 2つの「スキル」 ○◎

私たちは、「スキル」という言葉を2つに分けています。

それは「技術」と「能力」です。

「技術」は、「何ができるか」という意味のスキルと定義しています。
具体的には以下のようなものです。

 (例)
 ・パソコンができる
 ・会計処理ができる
 ・英語が話せる

「技術」は英語で「テクニック」。
サッカー選手なら上手にリフティングやドリブルができる力が「技術(テクニック)」であるといえます。

「技術」は通常、「できているかできていないか」「何が足りないか」「何を習得しなければならないか」が明確に分かります。
そのため、「見えやすく、計測しやすい」ものであるといえます。

さて、一方の「能力」はどうでしょうか。


◎○ 「能力」とは”状況判断の力” ○◎ 

「能力」は、「どのように活用できるか」という意味のスキルと定義しています。
具体的には以下のようなものです。

 (例)
 ・持っている「技術」をどの場面で活用するか
 ・想定外のことが起こった時にどのように対処できるか

「技術」と違い「能力」は通常、「見えにくく、計測しにくい」ものです。
そのような状況に実際になってみないと、「能力」が発揮できていたかどうかを判別するのが難しいからです。

そのため、「能力」をさらに言い替えるとしたら、「状況判断の力」ということができるでしょう。


◎○ 「技術」と「能力」をともに高める ○◎

どんなに高い「技術」を持っていたとしても、それを状況に合わせて使いこなす「能力」がなければ、
それは宝の持ち腐れになってしまい、せっかくの「技術」が無駄になってしまいます。
逆に、「技術」がそれなりであったとしても、場面に応じて適切に使いこなす「能力」があれば、
良い成果が生まれることもあります。

目に見えやすい「技術」を高めることは大切です。
「技術」を高めることで、「できる」という意識が高まり、実際に「できる」ことで自信もつきます。

しかし、それと同時に、その培った「技術」を活用するための「能力」を意識して高めることも大事です。
「技術」と「能力」。2つのスキルをともに高めていくことで、より良い行動や高い成果に結びつくはずです。

研修では、インバスケットの問題演習を通じて自身の「能力」の強みや弱みを把握していただいたうえで、
ケースワークを通じて、その「能力」を高めるための方法について学んでいただいています。


それでは、「3分くらいでわかる!研修講師TAMAのワンポイントレッスン!」
第8講目を終了いたします。

◎○ 次回もお楽しみに! ○◎
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