vol.44:コールセンターで働く意義とは? EX(エンプロイー・エクスペリエンス)の考察

2018年2月14日|カテゴリー「さつき先生 ,さつき先生アーカイブ
こんにちは、さつき先生です。

昨年からシリーズで書いてきました、「コールセンター白書2017」の考察ですが、一旦今回で一区切りとします。
最終回に書いたのが「コールセンターで働く意義とは?」という、少し哲学的な内容ですが、今、日本のコールセンター管理者が改めて、考え直さなくてはいけない問題だと思います。
バックナンバーのVOL.31~VOL.35をもう一度振り返ってもらいたいのですが、どこのコールセンターでも「採用難・定着の悪化」に苦しんでいると思いますが、待遇面を見ると2014年を境にして年々時給水準は改善してきています。(下記図を参照)
過去10年の採用時時給平均
出典元:リックテレコム コールセンター白書セミナー2017
地域毎に見てみると、最も上昇したエリアが沖縄(33円)、次に北海道(32円)、九州(30円)。
いずれもコールセンター集積地帯の上昇幅が大きい。
一方で沖縄の離職率は4割にも達しており、既存のセンター管理者からは「沖縄は人材が育たない・定着しない」と言われているそうだ。
沖縄は1990年代にIT振興・地域振興の名の下に数多くのコールセンターを誘致し拡大してきたが、この20年間を振り返り、雇用創出には大きく寄与したが、コールセンターを通じた人材育成・地元密着した文化・組織作りをしてきたかというと少々疑問である。
沖縄に限らず、地方センターにコールセンターを構築する際に、設立当初は本部からセンター長や管理職が転勤して統括する事は当然であるが、ある一定の年数が経った折には、センター長も管理職も地元人材でまかなえる体制にシフトをする会社は少ない。
結局、地元の社員からしてみると、いつまでたっても使い捨ての駒の一つという印象を植え付けてしまったのかもしれない。


下記の図は過去2年間のオペレーターの離職率ですが、時給水準や福利厚生面が改善しているにもかかわらず、悪化傾向は改善するどころかむしろ悪化している様子である。
全体の30%以上のコールセンターで離職率が30%を超えているのはある意味異常な状況と言える。
新人オペレーターの離職率
出典元:リックテレコム コールセンター白書セミナー2017

コールセンターは労働集約型産業であり、今までは大量の派遣・契約社員を回転させる事で労働生産効率を維持してきたが、このモデルは崩壊しつつあります。
今までの既成概念を外して、コールセンターで働く意義を社員に体感(EX: エンプロイー・エクスペリエンス)させないと、この負の連鎖は悪化の一途を辿るでしょう。
今年は、改正労働法、改正派遣法の2018年問題の年でもありますので(VOL.28参照)、既に多くのコールセンターでは今後の人材のあり方・雇用のあり方を見直していると思いますが、今このピンチの状況をチャンスと捉えて、新たなコールセンター文化を構築して、EX(エンプロイ-・エクスペリエンス)を構築できたコールセンターがアドバンテージを掴むと思います。

【参考】
「エンプロイー・エクスペリエンス」(Employee Experience)とは、直訳すれば「従業員の経験」であり、従業員が企業や組織の中で体験する経験価値を意味します。
従業員のエンゲージメントや組織文化といったものを超えた概念であり、従業員の健康や組織としての一体感などに影響する要素すべてを対象としています。
改善するには、いかに従業員が満足できる体験を与えられるか、という従業員の立場に立った視点が求められます。

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