vol.22 :コールセンターのKPI 応答率の管理について 〈その1〉

2017年8月23日|カテゴリー「さつき先生 ,さつき先生アーカイブ
こんにちは さつき先生です。

コールセンターのKPIシリーズ第三弾は応答率のサービス管理についてです

応答率は接続率とか受電率とか色々な言い方をされますが、最もコールセンターの中で用いられているKPIだと思います。
ビジネスフォーン対応では無く、コールセンターシステムを導入している企業であれば、他の細かなKPIはチェックせずとも、応答率だけはチェックしている場合が多いはずです。

定義として、「架かってきた電話の何%に応答したかを示す」ので、企業としても最も気を遣うKPIですが、目標数値は業種や、企業の考え方で様々です。


全体の応答率は90%の目標数値であるが、受注回線(直接売上につながる電話)のスキルグループだけは99%と設定している企業もあります。

ピザの注文や急ぎの宅配などの受注回線は、仮に1度話中で繋がらない場合は、競合他社に乗り換えられるリスクが高くなりますので、なんとしてでも受注回線だけは高めの応答率を設定して対応する事もあります。

コールセンターのKPI:応答率の管理について
あるコールセンターを訪れた時ですが、コールセンターエリアの隣に管理部門の部署があるのですが、壁がガラス張りで常にコールセンターの状況を確認できるのですが、受注回線に待ち呼が発生すると、その管理部門の部屋のパトランプが点滅し始めました。
するとその日の当番の部署の社員が慌ててコールセンターエリアに移動して受注回線の電話対応をしている姿を見た事があります。
その会社は電話とインターネットで飲食の注文を受付けするコールセンターでしたが、センター長曰く、「一度注文で電話いただいた場合、電話が繋がらない・お待たせメッセージで長時間お待たせしてしまうと他の店に移られてしまうので、機会損失を1件でも減らすためにも受注回線だけはできるだけ1本も落とす事なく全社一丸となって対応しています」と説明いただいたのが印象的でした。

一方で、パソコンのサポートセンターで購入後の無料相談窓口については、応答率の目標数値を初めから80%と低めに設定している企業もあります。
有料サポート回線の目標応答率は95%でしたが、無料相談窓口は敢えてコストバランスを考慮して目標数値を下げている企業もあります。

このように、応答率というのは、コールセンターで一つの指標とは限らず、スキルグループの特性・状況によっても変化させている場合が多くあります。

応答率の目標数値には絶対解の数字はありませんので、何%が最適で何%は駄目!という事はありませんが、コールセンター開設以来何年にも渡って応答率の目標数値を変更していないセンターがあるのであれば、一度見直しのためのデータ検証するのも必要かもしれません。

全体としては最適であるが、特定のスキルグループにとっては最適では無い場合もありますので、全体最適かつ部分最適を目指して応答率の目標数値を設定してもらいたいと思います。

コールセンターのKPI:応答率の管理について
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