vol.21 :コールセンターのKPI CPCについて 〈その2〉

2017年8月9日|カテゴリー「さつき先生 ,さつき先生アーカイブ
こんにちは さつき先生です。

コールセンターのKPIシリーズ、前回に引き続きCPC(コスト・パー・コール)について説明します

CPCは「電話1本あたりの単価」を示し経営指標として非常に重要な事については説明済ですが、計算は一言で言えば、「コールセンターの全経費をコールの処理件数で割り算」するという事ですが、計算を進める上でいくつかの壁にも当たることになります。
コールセンターのKPI:CPCについて
1. 正社員人件費の把握について

一般的には現場の人事担当・管理者は派遣・契約社員人件費は把握できても、センター長、上司のマネージャーを含めコールセンターの正社員人件費の総額を把握するのが難しいケースがあります。
コールセンターの管理部門に部門の正社員人件費を把握できる権限があれば問題はありませんが、そうでない場合は、見なし人件費を活用するというのも一つの方法です。
Aセンター長が年収いくらとか、Bマネージャーの年収がいくらとか、一万単位での把握では無く、会社によってモデル賃金というものがあると思いますので、会社の階層別モデル賃金のみなし人件費を使っても、算出はできます。
重要な点は、一度決めた計算ロジックを使い続けて比較検証できることですので、正社員人件費をみなし人件費に変えても全体に影響はありません。


コールセンターのKPI:CPCについて
2. 経費総額の把握

経費の中には、コールセンターの直接経費のみで計算する場合もありますし、全社からの配布額(全社経費)も含めて計算する場合もあります。
好ましいのは、経費の中でも直接経費、全社経費の区別、変動費と固定費の区別など明確にしておくと、CPCを分析する際に、どこの経費の増減がCPCに影響を与えているかが一目でわかるようになります。



CPCを取り扱う上で大きな注意点があります。

あまり理解の無い上司・役員に一度見せてしまうと、毎月のように

「CPCはどうなっている?」
「(上がった場合は)、どうして上昇した?理由を報告しなさい!」

と結構面倒な事になりますので、ご注意下さい。

例えば、繁忙期前に新人採用した場合は、人件費コストだけかかって電話の処理件数には貢献しませんので、大きくCPCが跳ね上がりますし、繁忙期のピーク月などはキャパ以上のコールを処理する事になるので、CPCが下降する事になります。
あまり、1ヶ月単位で一喜一憂するKPIでは無いのですが、一度経営陣に報告すると、毎月CPCの事しか報告を求められないという事も起こります。

CPCの計算ロジックは各社三者三様のやり方をしていますので、決まり切った方程式があるわけではありません。
そのため、「よくわからない?」と放置してしまうケースが多いのですが、しっかりとCPCの意義や、単価の上昇・下降は何と相関関係があるかを見極めないといけません。

短期の推移では無く、中長期トレンドで検証していくKPIですので、しっかりとCPCの意義、理解を深めてもらいたいと思います。
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